室町時代の葬儀

室町時代は現在の葬儀文化の起源を探る上で重要な時代の一つだと考えられます。何故なら、お寺の中にお墓を建てるという文化は室町時代に始まったとされるからです。これは応仁の乱という苛烈な戦争を経験した武士たちが、寺の中に墓地を作り始めたことに起因する現象で、寺院も勢力拡大を図るべく、積極的に誘致したと言われています。都心の寺院だけは例外として墓の建立が禁止されましたが、その他の寺では庶民の墓も含めて積極的に建てられました。仏教への帰依が進んでいたこの時代、お寺に墓を管理してもらえるのは大変ありがたいことだったのです。さて、時代は変わり、江戸時代の墓ともなると、現代人の我々でも少しイメージし易くなります。室町時代までは火葬と土葬の両方が選択肢でしたが、実は江戸時代に入ると再び土葬が主流になりました。つまり古代の葬儀に回帰したのです。この変化の背景には儒教の流入がありました。親を火葬で弔う場合、親不孝に当たると思ってしまう人が多かったのでしょう。他にも理由はあって、火葬の際に出る煙が江戸時代の人々には受け入れられなかったというものです。江戸時代は人口の増えた時期ですから、江戸を中心に密度も高くなりました。その結果、他人の葬儀で出る煙を吸い込んでしまう事態が生じていたのです。確かにこうした事態は現代人が聞いても気の毒に思います。

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